エジプト

エジプトでの仕事

エジプトにいたのは2000年から2003年まで。日本語専門家として国際交流基金カイロ事務所で働いた。事務所付きの専門家としてエジプト及び近隣国の日本語教育の活性化支援に従事した。そのため、周辺国に出張を繰り返した。出張した国は、モロッコ、チュニジ…

ピラミッド

富士山が見えれば嬉しいように、カイロで思わぬ方向にピラミッドが見えると嬉しくなる

ここはカイロじゃない!

カイロからヨルダンのアンマンとシリアのダマスカス、アレッポに出張したことがある。 ヨルダンではヨルダン大学、シリアではダマスカス大学とアレッポ大学の日本語教育機関を訪ねた。 だまされないよう、ぼられないよう、いつもぴりぴりしていなければなら…

寝坊して飛行機の乗り遅れる!

バハレーン大学の女子学生たち エジプトからイランに出張しての帰り、トランジットでバハレーンに1泊した。最後の夜ということでバハレーン大学の日本人教員と酒を飲み、酔っ払ってホテルに帰って寝た。 翌朝、起きると10時20分。フライトは11時20分だからあ…

イラン国立博物館

イランのテヘランに出張したとき、心に残ることがある。 ペルセポリスの展示が充実している国立博物館を時間の都合をつけてぜひ訪問したいと思った。イランに来ることは二度とないと思ったからだ。ところが、時間が取れず、結局、訪問を諦めた。 私はイラン…

フライトがない!

エジプトに赴任していたとき、ほぼ2年ぶりで日本に一時帰国することになった。フライトはルフトハンザ。フランクフルト経由で東京へ帰るようになっていた。カイロは朝4時発。私は午前2時過ぎに空港に来た。 航空会社のカウンターの入口でチケットを見せると…

マルワ

エジプトでは、本来の仕事のほか、週に一度ある大学の外国語学部日本語学科に出講していた。 その学部はエジプトの大学の中で最難関の一つで、特に日本語学科は、その中でも一番難しかった。だから、そこで日本語を学ぶ学生は文科系ではエジプトのthe cream …

カイロの安食堂

カイロで仕事をしていたとき、とても面白い男と知り合いになった。名前を仮に佐々木とする。佐々木は、バックパッカーの沈没組で、それまでも世界各地で生活していた。インドネシア語、中国語なども流暢に話した。生活しながら自然習得したらしい。アラビア…

シナイ半島へ

カイロに駐在していたとき、何回かシナイ半島に出かけた。シナイ半島の入口、スエズ運河まで車で3時間くらい。運河の下に作られた短いトンネルの向うがシナイ半島である。 カイロからスエズ運河に行く道は実にわかりにくい。というか、カイロ市内でスエズ街…

バハレーヤとミハルさん

カイロから南南西の方角に350km行った砂漠のど真ん中にバハレーヤという大きなオアシスがある。人口数千人の大きなオアシスでローマ時代の遺跡が残っている。こんなところに2000年も前から人が住んでいたのだ。 距離は350kmもあるが、私のカムリでは3時間で…

エジプトの「ビール」

カイロは、1年に20分しか雨が降らないのに、けっこう蒸し暑いところだ。6月から10月くらいまでは東京の真夏のような暑さが続く。 次に書くのは、エジプトに赴任して間もなく、まだ右も左もわからなかった頃の話である。カイロへの赴任し、最初に住んだのは、…

モナ

エジプト人の学生で私によくなついた子がいた。名を仮にモナとしよう。モナは日本語学科の学生で優秀な子だった。ヒガーブ(頭覆い)を被っているのは、うちが保守的なことを意味した。どんなときも長袖、スカートはくるぶしまで。手と顔以外の肌は人目に晒…

イギリスの歯医者で

エジプトで歯医者に行くのはちょっと怖かった。だから、休暇でイギリスに行ったとき、歯医者に通い、歯を治した。最初の日、レントゲンを撮ると言われた。レントゲン室に入るとチョコレート色の肌の若い綺麗な女性がいた。頭を台の上におくと、カメラが周り…

パルミラ

パルミラはシリア北部のオアシスにあるローマ時代の遺跡である。砂漠の中にオアシス都市全体が廃墟となって残っている。私がここに行ったのは2001年のニューヨークのテロ直後で、中東からは外国人観光客の姿が消え、遺跡の中に作られたホテルの泊り客は私だ…

砂漠の日没

写真は砂漠の日没。初めて砂漠を旅行したとき、双眼鏡を持って行った。実際、遠くを眺めて、とんでもないことに気づいた。砂漠では、肉眼で見た景色と、そのうちの一部を切り取った双眼鏡の中の景色が完全に同一であった!2度目の砂漠旅行からは双眼鏡は持っ…

砂漠のピンクと青

砂漠のパリッシュのピンク 私はMaxfield Parrish という画家が若い頃からずっと好きだった。この画家の色使いについていつも不思議に思っていた。例えば、 “Prometheus”の女性の体のピンク。また、”Jason and his teacher”の背景の山のピンクと青。くすんだ…

山羊を屠(ほふ)る

山羊を蒸し焼きにする 山羊を食す シナイ半島の県庁所在地エル・トゥールの郊外で日本隊が中世の城塞都市を発掘しているのを見学した。そこで山羊をごちそうになった。 私はそのとき、「最初」から全部見た。みんなで山羊の群れの中から1匹を選び、それを砂…

「オランダ大使ですか?」

エジプトの赴任先は日本の政府機関の駐在事務所だったので、私の車には外国政府機関職員用のナンバーが与えられた。厳密に言うとこれは外交ナンバーではないのだが、どちらも同じ緑色のプレートで一般の人が(警官を含め)区別することはできなかった。私の…

沙漠の日没

砂漠の日没 写真は砂漠の日没。初めて砂漠を旅行したとき、双眼鏡を持って行った。実際、遠くを眺めて、とんでもないことに気づいた。砂漠では、肉眼で見た景色と、そのうちの一部を切り取った双眼鏡の中の景色が完全に同一であった!2度目の砂漠旅行からは…

ラマダンのこと

ラマダン・ファヌース ラマダンとはイスラムの断食月のこと。イスラム教徒はほぼ1ヶ月日出から日没まで断食する。ラマダンは不思議な月である。昼間は非常に宗教的な、聖なるときであるが、夜は、親戚同士、友達同士などで街に繰り出したり、お互いの家を訪…

カイロの日出

カイロの朝 写真は、エジプト、カイロ、ナイル川。朝早く、ナイル川沿いの17Fにあった私のアパートから撮った。やや雲の多い日。ちなみにカイロで雨が降るのは1年で20分ほど。20日じゃない。ほんとに20分!