エジプトでの仕事

 エジプトにいたのは2000年から2003年まで。日本語専門家として国際交流基金カイロ事務所で働いた。事務所付きの専門家としてエジプト及び近隣国の日本語教育の活性化支援に従事した。そのため、周辺国に出張を繰り返した。出張した国は、モロッコチュニジア、ヨルダン、シリア、イエメン、トルコ、バハレーン、イラン。中近東と一括りにされる国々であるが、実はそれぞれの国が強い個性を持っていることを知った。

 これらの国の日本語学習者を招待してカイロで弁論大会を開いたことがある。その折のアトラクションで参加者をピラミッドに連れて行った。参加者の多くの母語アラビア語だが、トルコ、イランの参加者はアラビア語を話さない。だから、これらの国と他国の参加者のコミュニケーションの媒体は日本語になる。

 若い者同士、すぐに打ち解け仲良くなる。エジプトの参加者がトルコの参加者に「ねえ、こっちに来て!いっしょに写真を撮ろう!」と叫ぶ傍らで、日本人観光客が目を白黒させているのが面白かった。