寝坊して飛行機の乗り遅れる!

 

バハレーン大学の女子学生たち

 

 エジプトからイランに出張しての帰り、トランジットでバハレーンに1泊した。最後の夜ということでバハレーン大学の日本人教員と酒を飲み、酔っ払ってホテルに帰って寝た。
 翌朝、起きると10時20分。フライトは11時20分だからあと1時間しかない!大慌てで飛び起き、荷物を持って部屋を飛び出した。幸いにも荷物は前日パック済みで、しかもガラガラ1個。

 フロントに走り、チェックアウト。わけを話すと、「がってん、承知のすけ!」という感じでてきぱきと車を手配してくれ、その車で空港に向かった。ここまでで10分。残り時間は50分。

 バハレーンは狭いところだからホテルから空港までも車で20分かからない。だから、ガルフエアのカウンターに走りこんだときの残り時間は30分。

 だめと言われるかと思ったが、係員はのんびりと手続きする。ボーディンパスをもらい、一安心。

 それでも急いでイミグレを通過し、何番ゲートかと思ってボーディンパスを見ると書いてない。おかしいなと思って、案内板を見ると、表示されているのは午前8時台、9時台のフライトばかり。
 ここらへんでもう気付いてもよさそうなものだが、私はまだまったくわけがわからなかった。何か問題があってフライトがみんな遅れているのだと勝手に解釈した。しかし、出発時間が過ぎても、私の乗るフライトの情報が表示されない。さすがにおかしいと思った。
 そのとき、大きな時計が目に入った。そして、その時計が表示する時間は午前8時30分だった!
 私は狐につままれたような気分だった。いったいどうして???
 それから、徐々に謎が解けてきた。テヘランとバハレーンの時差は1時間半である。 テヘランからバハレーンに来た場合、時計を1時間半、遅らせなければならない。ところが、私は勘違いして、バハレーンに着いたとき、テヘラン時間を表示している時計をさらに1時間半進めてしまった。だから、私の時計はバハレーン時間より+3時間進んでしまった。
 つまり、私が目を覚ましたのはバハレーン時間で午前7時20分。11時20分の飛行機には、十分すぎるほどのゆとりがあった。
 なああんだ、と思って、ひとり苦笑い。それから急にホテルの冷蔵庫の中に、朝食にと思って、ヨーグルトや牛乳などを買って入れておいたことを思い出した。
 私が時間を間違えて、ホテルの従業員の誰かをちょっとだけ幸せにしたわけだ。