台大(タイダー)の教授

 定年退官した台湾の最難関校、台大(タイダー)の教授(台湾人)が、日本語を教える仕事に応募してきた。彼も日本語で教育を受けた世代で、流暢な日本語を話した。私は台大(タイダー)の偉い先生相手に粗相があってはいけないと思い、最大限の敬語を使って彼を「もてなした」。しばらく会話を続けた後で彼は言った。

 「いやあ、外国で丁寧な敬語を聞くのは実に気持ちがいいものですなあ。」

 私は耳を疑った。しかし、確かに彼はそう言った。